【W杯はPKで終わった。プレスで完敗した】


 2010年のW杯はPKで終わった。南米予選を突破するだけあって、やっぱり上手いわ、パラグアイ。中盤のプレスは、デンマークより格段にきついし、ルーズボールはことごとく拾われ、受けに回った日本は守備で一杯一杯になった。パラグアイがプレスをかけ、日本が本田をターゲットにロングボールを放りこむ、キツい展開。


 つまりプレスで負けた日本は、やりたいサッカーが出来なかった。

 
 パラグアイの中盤のプレスの圧力で、日本は短いパス交換が繋がらないし、ドリブルも常に2人に挟まれて突破できず、結局ロングボールを放り込んで、本田個人のキープ力に頼るしかなかった。本田は、前で守備も担当していたので、彼の負担が大きすぎた。松井や長友、駒野のドリブルが通用しなかったのが、痛い。前で起点になれる人間が、本田一人しかいなかったのが、今の日本の限界なんだろう。


 試合後、テレビで中田英寿氏が、「デンマーク戦のように、センタリングを上げていれば良かった」と感想を述べていたが、そもそも、センタリングを上げる以前に、サイドの球の競り合いで日本は負けていたのだ。(それにデンマーク戦の勝因は中央の縦パス&飛び出しであって、センタリングは大した威力ではなかったと私は思う;確かにデンマークのサイドは緩かったけど)。


ルーズボールには常に2枚つくプレスの圧力。マンマークのキツさ、縦パスや飛び出しを許さない、コースを消す位置取り。パラグアイは、さすがに南米予選でブラジルやアルゼンチンに勝ったこともあるチームだった。ただ、このパラグアイですら、ベスト8は初なのであり、世界の頂点は、まだまだ遠いもんだなぁと思いました。


 ただ、中盤は負けたが、日本の最終ラインは本物だった。魂の守備。ペナルティエリア内で、ミツバチがオオスズメバチを「ハチ団子」にして殺すように、守備をした。文字通りに身を削るような戦いだった。予選だったら「引き分けを勝ち取った」と言っても良い内容だった。


謎だったのは、右からの良い位置で何回かFKをもらったのに、遠藤がFKをほぼ独占していた。あれはチームの方針だったのだろうか?
 

 PK戦に入ったと時は、「川島なら止められる」って思ったんだが…。昔から駒野は興奮すると、球をフカす癖があるんだよなぁ。センタリングをいつもフカす。しかし、PKの人選を含めてチーム力だ。そういう、いろいろを含めて、これが今の総合力であり、今の日本の、限界だったんだろう。良い試合を、ありがとうございました。