緒方孝市は九州男児である

5年ぶりにブログを更新。愚痴日記 これが愚痴らずにいられるか

一生忘れられないクソ采配を見た。

 負けたら後がない試合で8回同点の場面である。中継ぎピッチャーが3連打打たれてストレートで押し出しフォアボールを出したら、(ピッチャーがチームに2人しかいないような高校野球でもない限り)ピッチャー交替であろう。仮に続投であっても続いて相手ピッチャーにクリーンヒット打たれたら降板だろう。それをやらない男を初めて見た。よりによって日本シリーズで。続くレアードに満塁ホームラン打たれた。ジャクソンは6戦6登板だから責められない。

 満塁ホームラン

 その瞬間「案の定、満塁ホームランである」と私は口走り、『満塁ホームラン』が『案の定』である時点で、紛れもなく本物の、クソ采配以外の何物でもないと確信した。緒方風に言うならば「クソってる」。これが愚痴らずにいられるか。こんなクソ采配、初めてじゃないからな。

 去年の最終戦も大瀬良続投で玉砕したのだった。今シーズンは大型連敗が無かったから表面化しなかっただけで、緒方孝市はそういう男だった。あの男は、勝負所で相手に合わせて駆け引きしたり、見切りを付けて選手を出したり引っ込めたりするのを良しとしない。選手を信じたら、最後まで信じる。ジャクソンはシリーズ通じて日本ハム打線に対応されていたが、緒方は緒方のまま、ジャクソンを信じた。ストレートの押し出しをしても信頼は動かさない。『選手を信頼する』という行為はそういう緒方孝一なりの重みがある。

「8回はジャクソン、以上」そこから先は、誰にも口を出させないし、その結果に言い訳をしない。

 不可能を可能にするには腹をくくらねばならない。現役時代の緒方孝市はそうやってヒーローになった男だった。故障しても不調になっても、言い訳をしない男だった。全く以って九州男児であった。惚れたらベタ惚れ、キレたらマジギレ、信頼したら死ぬまで信じる。これは緒方孝市の人生を貫く太い幹なので、来年も緒方監督が続投するなら、大型連敗中に同じ采配を繰り返すだろうし、また監督を辞めさせられても、言い訳をしないだろう。あぁ頼む。頼むから、もっと柔軟な策略家になってくれと願うのだが、策略家なんて緒方孝市とは最も遠い存在なのだった。

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 来訪者の無いブログなので読んでる人は居ないと思うけど、日本ハムファンのみなさんおめでとうございます。日本ハムの中継ぎを打てず、カープの中継ぎが全員被弾したのだから、采配を含めて完敗です。加藤先発、鍵屋2イニング、バース続投というのも、ギリギリの、腹の据わった際どい采配だったと思います。