【ワールドカップ;ヘディングの空振りが多い;これはいけるかも】

ワールドカップ今大会は、一応、3試合くらい見たが、ロングボールの精度が悪い。キックの精度が悪いのではなく、受け手がボールの球筋を読めていない印象。FW、DF問わず、ヘディングの空振りが多いし、キーパーのパンチミスも多い。評判の悪い新球が、威力を発揮している。試合は見てないけど、オーストラリアみたいなタイプのチームは苦しいのではないだろうか。

さっき終わったカメルーン戦は、それが日本側に幸いした感じだ。高地ということも加わって、ロングボールの収まりが悪く、放り込んでくるカメルーンが思ったよりずいぶん下手に見え、低くて短いパス交換をする日本が、上手く見える。それでもボールポゼッションは負けていたのだが、なんとか、見られる試合になった。

松井のロングボールからの本田のゴールだって、位置関係から見て、カメルーンのDF2枚のヘディングのどちらかが空振りしていなければ、普通にクリアされていたはずだ。

キーパーの川島も、空中戦で何度か空振りしていたし、高い球は徹底的に信頼できない、怖いゲームだった。ラッキーを味方に出来て本当に良かった。

長友がエトーを、ほぼ完封してくれたのが戦略面から見た最大の勝因。1回だけ、後半の初めに、日本のプレス3枚が一瞬でブチ抜かれたが、それ以外は、ほとんどエトーに仕事をさせなかった。ポジションチェンジなどの工夫をされたらヤバかったと思うが、カメルーンは最後までシンプルに戦ってくれた。FWの本田がMF化してくれて、その守備の貢献で、やっと中盤が互角になるかどうか。そのくらいの個の差があったと思う。

最後の15分は、運動量が落ちて、防戦一方になったのは、いつもの日本だった(これは、オランダ戦、デンマーク戦も同じだと思う)。決定機も少なかったし、今回、強豪に勝ったけど、日本は何も変わっていない。中盤を厚くしてプレスをかける70分サッカーであり、たぶん得点力不足も解消されていない。むしろ得点力自体は下がっている可能性がある(闘莉王、中澤のヘディングが不発化されて、中村俊輔フリーキックが無いのだから)。

残り2試合の展望として、《高い球を放り込まれて、ヘディングでドカン》というパターンが少ないのは、日本として、ずいぶん、助かるのではないかと思う。闘莉王、中澤のヘディングシュートは、どうせオランダ、デンマーク相手では通用しないと思うので。その意味で、今回の新球は、日本にプラスになっている。

次のオランダ戦は、防戦一方になるはずだが、案外、3戦目のデンマーク戦も、カメルーン戦みたいな感じで、いい線まで行けるのではないか、という気がしてきた。見てるだけの側は、現金なものだ。あとは、闘莉王イエローカードが2枚累積にならないことを祈るだけだ。