【アメリカの電気代は1kwh4セント】

昨日の「BS1 きょうの世界」で、アメリカの石炭業界の人が、チラッと言った。「今、1kWh4セントの電気代が、8セントになってしまうかもしれません。」彼はCO2削減対策に反対して、電気代が倍になりますよ、と脅しているのだった。私は驚いてしまった。

安っっっい。

日本の深夜割引の電気代が、1kWh9.62円。だから、深夜料金の半値以下だ。8セントでも日本の深夜割引より2割は安い。普通の従量電灯Aだと、120kWhまでが19円で、300kWhを超えると28円になる。…5倍以上?

日本の深夜割引の半値なんだから、アメリカ人が白熱電球を愛用するのも分かるし、省エネ家電に興味が無いのも道理だ。

いくらなんでも、これは絶対におかしいと思って、ググってみると、1kWh4セントというのは産業用で、家庭用だと8セントくらいのようだ(日本語サイトなので、あまり信頼できるソースではないが)。それでも日本の半値以下だ。日本の産業用電力は、夜間電力で7.4円。昼間は、メニューにもよるが、10円〜13円くらいだ。それでも大まかに見て、2倍以上にはなる。

同じ国際相場で石炭を買い、賃金水準も大差無く、電力網はアメリカよりも短いはずだ。なのに、なぜ倍以上の差が出るんだろう? 地球シミュレータアメリカで作れば、電気代は半分で済んだのか、と思うと、ちょっとゾッとした。これでは、世界で勝負出来るはずがないのに、産業界は誰も文句を言わない現実に、ゾッとしたのだ。「産業界の誰も文句を言わない」のは、電気代が高いこと以上に、何かが、おかしい。非正規雇用者の賃金や、農産物には文句を言うのに。

1ドル200円くらいになれば、互角か。と考えたが、円安で値上がりした燃料費は、キッチり電気代に転嫁されるだろう。そういえば、プラザ合意の直後って電気代は安くなったんだろうか? なるわけ無いよな。経済学の初歩だ/価格の下方硬直性は…。