【ビデオリサーチ社の雑誌メディア調査を受けた】

A3サイズです

玄関のチャイムが鳴ったので、出てみると、全く知らないおばちゃんに、ビデオリサーチ社の雑誌調査のアンケートを頼まれた。好奇心があったので(ブログのネタになるかな、と考え)、「あぁ、いいですよ」と安請け合いしたら、紙袋から、大きくて分厚いアンケート冊子を渡される。A3で100ページを超え、重さにして、400グラムくらいある。「え?、ちょっと…マジですか」という量だ。大切なことなので、2度繰り返すがA3サイズで100ページ超の冊子だ。

ビデオリサーチって、本当に、全くの、ランダムにサンプリングしてるんだなぁ、と感心した。同社の調査の実態は知られていないと思うので、一例として以下、詳細をぼやかしながら、概略と感想を書いておこうと思う。ただし、前回ないし次回のアンケートが、今回と同様の形態を取っている保障は、全く無いので、念のため。

今回のアンケート冊子は、3部構成に分かれていた。

第1部は、アンケートを受けた人(この場合、私自身)の属性についてだ。これは、男女、年齢、年収、職業分類、同居家族の年収、お小遣いの額などを選択する。雑誌のweb会員の無料登録(Nikkeiビジネスオンラインや、ダイヤモンドオンラインの無料会員など)と似た感じだ。分量にして2ページほど。これは数分で済んだ。

次に、第2部だが、過去6ヶ月(週刊誌の場合は6週間)で販売された、ほとんど全ての一般雑誌について、個々に「読んだか、読んでいないか、知っているか、知らないか」を選択し、読んでいる場合は、買った頻度や場所や雑誌のイメージなどを選択する。これが80ページほど。ページ数は多いが、この半年、ほどんど雑誌を読まない私には、比較的楽な作業だった。それでも約400件の雑誌の「知っているか知らないか」の判定に、25分ほどかかった。400件の雑誌と言っても、ディープでマニアックな趣味の専門誌は含まれていない。車で例えると、マガジンXくらいまでの深度である。

最後に、第3部。私の好みや、生活行動パターン、購買パターン、各種ブランドの浸透度、趣味、嗜好を問うものだ。これが25ページほどある。ページ数は少ないが、ここが一番しんどかった。相当な活字忍耐力、および持続する精神力が必要だ。「買うとき、人の評判を気にするか」「品質を気に入れば、価格が高くても買うか」「ファッションにこだわるか」「掃除は好きか」「料理は丁寧にするか」「加工食品に抵抗があるか」に始まり、「パソコンや携帯を一日に何時間使うか」「国内外の各種ブランドの認知度」「使っている化粧品の価格帯」「車の予算」や「普段履いているズボンや腕時計の価格帯」「テレビ広告、ラジオ広告、雑誌広告、折込チラシ、インターネット広告の中で何をどのように重視するか」「買った場所はコンビニか、百貨店か、通販か」まで書く。上記に『忍耐力、精神力が必要』と書いたのは、初対面の人間同士で、面と向かって聞いたら、「お前、しつこいぞ」と言いたくなるような項目がたくさん含まれているからだ。それに長い。第3部だけで1時間ほどかかった。

この部分だけで、充分、性格分析ができそうだ。もう、私の性格と消費行動はビ社に筒抜けであり、今後1年、何を買うか買わないか、ビ社は統計的に予測することができるだろう。

これが回収のおばちゃんの手を経て、ビ社によってEXCELに打ち込まれ、一覧表になり、回りまわって、出版社のお偉いさん会議の叩き台になるわけだ。ただ、分量が多いので、途中で書き手が面倒くさくなってしまい、調査精度が落ちてしまうのではないだろうか、という危険性はある。《冊子は分厚く、分量は多いが、原理的にいくらでも嘘が書ける》という調査に、出版社は、どの程度の精度を期待するのだろうか? とにかく、時間を消費する。私の場合、集中して1時間半かかった。我が人生で一番長いアンケートだ。そりゃぁ謝礼の商品券を受け取った手前、真面目に書きますけど、私が年収2000万円の出版社のお偉いさんだったら、貴重な休日の1時間半をつぶすようなアンケートに協力しないだろうな、という気はします。

もちろん、私は、ちゃんと正直に書きましたよ。日本の出版業界、広告業界の健全なる発展(ただし創造的破壊を含む)を、心から願ってますからね。

◆◆◆◆◆

さて、ブログの読者の興味のあるであろう、謝礼(商品券)の額についてですが、個人のプライバシーと同様に、あまり公にするべきではない部類の情報だ、と私は考えるので、控えておきます。バイトと考えるなら十分だが、仕事と考えるなら、ちょっと安いかな、という、まぁ妥当な額です。
 ただし、です。多彩な雑誌をたくさん読む人ほど、負担が重くなっており、今時、雑誌をたくさん読むような種類の人、つまり高収入で高年齢の人だったら途中で「ちょっと勘弁してくれ」と言い出す人がいてもおかしくないでしょう、という額です。あとは一般常識に照らし合わせて、ご推察ください。

あと、氏名と電話番号を記入しなければならないことは、一応、公に書いておかねばなりませんね。個人情報については、厳重に管理ないし破棄する旨、ビデオリサーチ社は繰り返し表明しているので、今回は、ビ社の良心を信頼することにします。

なお、このエントリは、ビデオリサーチ社の指摘を受け、かつ、その指摘に合理的な根拠がある場合、私の自主的判断で予告無く、訂正、ないし削除される可能性があります。ただし今回のアンケートには、守秘義務について何も書かれていませんでしたので、記載基準は私が一方的に解釈し、ブログのエントリに起こした次第です。